インプラント(人工歯根)の基本知識や治療法、魅力・注意点について、岡山インプラントサロン(なかの歯科・矯正歯科クリニック)院長の中野浩輔が分かりやすくご説明します。
インプラント治療では、失った歯の代わりにインプラント(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯冠を取り付けます。 インプラントはお口の違和感が少ないうえ、よく噛めるのが魅力です。 治療期間は、お口の状態にもよりますが「約3~5ヶ月」ぐらい必要です。
インプラント治療の歴史は長く、1950年代にスウェーデンのブローネマルク博士が骨と結合するチタン製インプラントを開発し、精度の高い治療へ進化しました。
歯を失った場合、従来は無くなった歯の両隣の歯を削ってから、取り外しできる義歯(入れ歯)を入れる「ブリッジ」と呼ばれる治療法が主流でした。ですが、ブリッジは歯を大きく削るため、削った歯の寿命が短くなってしまう大きな欠点がありました。
その他ですと「取り外しできる入れ歯」も選択肢ですが、硬い食べ物を噛んだ時に痛かったり、噛むたびに入れ歯が動くなどの欠点があります。
その点、インプラントならブリッジや入れ歯の欠点をほぼ解決できることもあり、治療技術の向上に伴いインプラントを選ばれる患者さまが増えています。
とは言えインプラントにもメリットだけでなく、デメリットがあるので、治療前にきちんとした診断を受け、担当医からしっかりした説明を受けることが大切です。そのうえでご自身の抱える不安や悩みをクリアにできるのであればインプラント治療をお勧めします。
メンテナンスと言っても特に難しいことをする訳ではありません。毎日おこなう正しい「ホームケア」と、3ヶ月に1度ぐらいのペースで歯科医院の「プロフェッショナルケア」を受けるだけです。
毎日のホームケアは天然歯と同じように丁寧な歯磨きをすることが基本になります。ただし、インプラントは人工物ですから天然歯にはない接合部(境目)があるので、この箇所を念入りにケアしてください。できれば、歯間ブラシやフロスを併用するのが良いでしょう。ホームケアをする時は特に下記項目に注意してください。
プロフェッショナルケアは歯科医院で衛生士が行います。傷みはないですし、気持ちがよくて施術中に眠ってしまう方もいます。お口の調子が良いからと言って、歯科医院に行くのを忘れないよう注意してください。
定期的にプロフェッショナルケアを受けることはインプラントをはじめ、全ての歯の予防につながります。
インプラント治療を分かりやすく理解してもらえるよう、WEB上で読めるパンフレットや漫画冊子をご用意しました。
※閲覧にはPDFソフトが必要です。お持ちでない方はAdobe Acrobat Reader DC(無料)からダウンロードしてください。
インプラントは、他の欠損治療に比べると魅力的なポイントが多いのでご紹介します。ですが、どの治療法にもメリット・デメリットがあるように、インプラントにも注意点はありますので総合的に判断してください。代表的な欠損治療の比較情報を知りたい方は、以下のページを参考にしてください。
インプラント治療は誰もが受けられる訳ではありません。お口と身体の健康状態やお金・治療期間・手術リスクなどの問題もありますので、注意点をしっかり理解してから検討してください。不安な点がある場合はひとりで悩まず、まずは専門医に相談しましょう。
もし、貴方がインプラント治療できるか不安であれば、専門医のカウンセリングを受けられることをお勧めします。もし持病や不向きな習慣があっても、インプラント治療できるケース(悪習を止めるなど)や医院があるかもしれないので、ご自身だけで悩まず専門医に判断してもらいましょう。
インプラントの基本的な治療ステップご紹介します。歯科医院によってはインプラントの種類や治療環境などが違ってきますので、カウンセリング時に専門医に確認されることをお勧めします。
インプラント治療は適切におこなうと、失われた歯の機能と美しさを回復させ、お口の健康を長期的に維持できる可能性が高くなる治療法です。
しかし、それぞれの患者さまによって状況は異なるため詳細な診断と治療計画が必要になります。インプラントに関するご質問やご相談がある場合は、当サロンにお気軽にご連絡ください。患者さまひとりひとりに最適な治療とサポートをさせていただきます。
まずは、患者さまの口腔内を詳しく診察し、健康状態を全体的に把握することから始めます。その一環として、口腔内写真やX線撮影、CTスキャンを用いて、顎の骨の状態を正確に評価します。
患者さまの顎の状態に応じたチタン製のインプラント体を顎の骨に埋め込みます。これは外科手術になりますが、通常は局所麻酔下でおこなわれます。また、手術への恐怖感が強い場合は静脈内鎮静法を用いる場合もあります。
インプラント体が骨にしっかりと結合するまでに2ヶ月~6ヶ月かかります。この結合するまでの期間(オッセオインテグレーションと呼びます)は、インプラントが安定するまで待っていただきます。
インプラント体と骨がしっかり結合した後は、その上に人工の歯(クラウン、ブリッジ、義歯など)を装着します。ここまでくると、しっかりと噛むことが可能になります。
数本のインプラントを埋め込み、その上に連続した固定式の歯を入れます。
これで1本の歯を失った場合と同じく、自分の歯の様にしっかりと噛むことができます。
歯を全て失った方でもインプラント治療は可能です。
この様なケースでは複数本のインプラントを土台にして固定式の歯を入れる方法と、インプランントの上に取り外し式の入れ歯を入れる方法があります。
インプラントに関する治療法やインプラント補助的手術(骨の量が少ない方向けの骨を増大する治療)についてご紹介します。
インプラント治療においてインプラント体を確実に骨と結合させるには十分な骨の幅と厚みが必要になります。 ところが、加齢などが原因で上顎洞が拡大している場合など、治療に必要な骨量が不十分な場合におこなう治療法のひとつが「サイナスリフト」です。
サイナスリフトは、上顎の臼歯部の歯肉・骨を切開し、上顎骨と上顎洞の間にある膜を慎重に挙上します。その後、できあがったスペースに自家骨やオステオグラフトなどの人工骨を填入して、新生骨の再生を図ります。 手術はインプラントの埋め込みと同時におこなう場合と、先にサイナスリフトで上顎の骨を増やしてからインプラントを埋め込む場合があります。
ソケットリフトは、サイナスリフトと同じく上顎の洞底部に歯槽骨を作る治療法で、空洞にすこしづつ骨補填剤を注入して、インプラント治療が可能な状態になるのを待ちます。
患者さまのお口の状態によっては、インプラント埋入と同時にソケットリフトができるので臨床的な対応策とも呼ばれます。
また、ソケットリフトは、サイナスリフトに比べると簡単で、短時間に処置できることが多い傾向にあります。
歯周病や加齢などで骨がやせていたり、欠損しており、このままだとインプラント治療が難しい場合ではGBR法で骨の増大を図ることがあります。
GBR法は特殊なGORE-TEX膜を使用し、骨が欠損している箇所に自家骨やオステオグラフトなどの人工骨を填入し、スペースを作ることで新生骨の再生を図ります。
手術はGBR法で骨の増大を図った後に埋入する場合と、埋入と同時におこなう場合があります。GBR法は上顎・下顎のどちらでもできますし、適応範囲が他の治療法に比べて広めです。治療期間は個人差もありますが4~6ヶ月ぐらいかかります。
オールオン4(All-on-4)は、総入れ歯やほとんどの歯を無くされた方に最適なインプラント治療法です。治療対象者は限定されますが、通常のインプラント治療に比べて費用や手術負担、治療期間を必要最小限に抑えれるのが魅力です。
抜歯即時インプラントは、歯を抜くのと同時にインプラントを埋め込むテクニックです。 通常は歯を抜いて傷が治ってから埋め込むことが多いのですが、症例によっては抜歯と同時に埋め込む時があります。メリットは外科的な治療回数を減らせることです。
即時加重インプラントは、インプラントを入れた日に歯が入り、噛むことができる治療法です。治療期間を大幅に短縮できますが、お口の状態など条件が整った場合のみ可能なので担当医によく相談してください。
※通常のインプラント治療は下顎で3ヶ月、上顎で6ヶ月ぐらいの治癒期間が必要です。
インプラント矯正は、矯正治療時に小さいインプラントを埋め込み、それをアンカーにして歯を動かす治療法です。
通常の矯正だと、前歯を下げる時に奥歯をアンカーにするのですが作用反作用の法則で奥歯が若干前に出てしまう欠点がありましたが、インプラント矯正なら、その欠点を解消できます。また、小さなインプラントを使用するので痛みや腫れの心配もほとんどありません。
矯正歯科治療にインプラントが必要かどうかは、お口の中を診ないと分かりませんので、まずは矯正歯科専門サイトからご連絡ください。矯正の無料相談サービスもございます。
インプラントオーバーデンチャーとも呼ばれる治療で、総入れ歯をインプラント2本で支える治療になります。総入れ歯でしっかり噛みたい方に適した治療です。