インプラント治療の向き不向きをご説明します。もし、不向きだったとしても生活習慣を変えることで治療が受けられるケースもあるので、まずは専門医にご相談ください。
もし、あなたが一番奥の大きな歯を1~2本を失った場合、歯科医師は治療方針に悩むと思います。
その理由は、一番奥に歯がないとブリッジ治療の選択肢が無い為、基本的には入れ歯かインプラントしか選択肢が無いからです。
ただし、抜けた歯が1本なら延長ブリッジと呼ばれる、前2本の歯を削る方法もありますが、歯への負担が大きくお勧めしずらいのです。
だからと言って、そのままにしておけば逆側の健康な歯に負担をかけすぎたり、噛み合わせが悪くなる場合があります。
その点インプラント治療なら歯を失った箇所に人工歯を入れるので他の歯を痛めないどころか、守ってくれます。
もちろん、入れ歯も選択肢になりますが、入れ歯の違和感や取り外しの面倒が嫌になったり、もっとしっかり噛めるようになりたくて最終的にインプラントへ変更される方がいますので、よく考えて選択してください。
最近は歯科治療について正しい知識をお持ちの方が増え「健康な歯は削りたくない!」と言われる方が多くなりました。
実際、どんなに腕のいい歯科医師が精密に歯を削り、人工材料を使って歯を修復したとしても健康な歯には敵いません。その為、歯を削るほど、歯が悪くなることが多いのは事実と言えます。
特にブリッジ治療は基本的に失った歯の両端を大きく削るので、後から驚かれる方が多くいます。さらに削られた2本の健康な歯で人工歯を含む3本を支える構造になるので、治療した歯の負担は一段と大きくなります。
また、治療ケースによってはブリッジ治療をする為に歯の神経を抜かないといけない場合があります。歯の神経は抜いてしまうと痛みを感じなくなり、歯が脆くなることもあります。その為、神経を取ってのブリッジ治療は長期的に見ると欠点が多いと言えます。
その点インプラント治療なら他の歯に負担をかけませんし、健康な歯を削る心配もありません。
入れ歯は高精度であっても噛む力は50%ぐらいしか回復できないとの調査結果があります。ブリッジも、どれだけうまく作っても両端の歯に負担がかかり、以前のように噛むことはできません。
これでは歯が健康だった時のように何でもしっかり噛むことは困難です。
その点インプラントなら本数や状態によっても異なりますが、ほとんどの方が何でも噛めるようになると言えます。
しっかりと噛めることは健康にとって重要なのは当たり前ですが、今ではダイエット効果や認知症の発生率と密接な関係があるとまで言われています。実際、元気で長生きされている方の特徴として、健康な歯やよく噛めている方が多い傾向にあります。
その為、しっかり噛める事は、いつまでも食事を楽しめるだけでなく、健康で長生きな人生に繋がると言えます。
インプラント治療を受けた方の中に、奥歯でしっかりと噛めるようになり、ゴルフのドライバーの飛距離が伸びてスコアが良くなった方がいます。
奥歯の食いしばりが影響するスポーツでは、奥歯の噛み合わせと成績に密接な関係があることが分かっています。
もしかしたら、ドライバーの飛距離やスコアの伸び悩みは、あなたの奥歯が原因かもしれません。ご興味があればインプラント専門医に相談してみてください。
前歯を抜く場合の治療選択肢は基本的に「ブリッジ、入れ歯、インプラント」になります。それぞれ長所・短所があるので歯科医師にしっかり相談してください。
知っておいてほしいことは、ブリッジは抜いた前歯の両隣にある健康な歯を削るので長期的には欠点が大きいと言えます。また前歯だけを入れ歯する方は少ないのが現状です。
インプラントも前歯の治療は難しいケースが多いので、見た目の良さを求めるなら高度な技術をもつ専門医を選んでください。
交通事故で5本の歯を失い、歯を削りたくないので入れ歯にした方から「一生このまま入れ歯なのでしょうか?」と相談されたことがありました。その時、適切にインプラント治療を受ければ、その悩みからは開放されるとお答えしました。
ただし交通事故をされた方は重要な骨が失われている可能性があるので、インプラント治療が難しいケースが多いと言えます。特に歯を失ってからの経過が長い方は、骨が痩せてしまい治療が困難だったり、見た目の追求が難しいケースがあるので、早い段階で専門医に相談してください。
インプラント治療が不向きな方をご紹介します。ただ、該当された方が治療できない訳ではなく、各項目でご紹介する対処法を実施していただければ治療可能なケースもあります。また、各医院によっても見解は違いますので、まずは医院にご相談ください。
歯ぎしりが激しい人は、噛み合わせの力が強いためインプラントの結合部分が壊れることがあります。特に就寝中は歯ぎしりをコントロ-ルできないので注意が必要です。
ナイトガードと呼ばれるマウスピースを就寝中に装着されるか、自己暗示法などで歯ぎしりをコントロールできるのであればインプラント治療は可能です。
喫煙は歯周病を悪化させる可能性が高く、インプラント治療が失敗する大きな原因のひとつです。 特に1日20本以上のタバコを、10年以上吸われてる方は要注意です。
禁煙していただくのがベストですが、できない場合は喫煙本数を減らしていただきます。また、インプラント手術の前後1週間は必ず禁煙でお願いします。
糖尿病の方は手術後の治りが悪かったり、感染しやすかったりするのでインプラント治療が失敗する可能性があります。
薬などで身体の状態をコントロールできていれば問題ありません。基準のひとつがHb1c(エッチビーワンシー)が7.0です。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方すべてがインプラント治療できない訳ではありませんが、骨密度が低いと通常より治療時間がかかりやすくなります。
単なる骨粗鬆症であれば治癒期間を延ばしたり、骨に結合しやすいインプラントを選んだりすればよいのですが、ビスフォスフォネート製剤を飲まれている方に関しては、飲むのを止めていただかないと治療できません。
未成年の方は骨が成長中の年齢なので、当サロンではインプラント治療を勧めておりません。
当サロンの治療してよいと考える目安は、身長の伸びが完全に止まった後か、20歳以上になってからと考えています。
心筋梗塞や狭心症にかかったことがある方は要注意です。身体の状態や発作時期、投薬内容によってはインプラント治療できないこともあります。
今の状態でインプラント治療できるのか、心臓病の主治医に相談してもらうことになります。体調によっては安静になるまで待つことが必要です。
「 手術後は、このお薬を飲んでください 」
「 タバコは3日間、我慢してください 」
「 1週間は、硬い食べ物を噛まないでください 」
「 予約した日に、必ず来院してください 」
この様な歯科医師からの指示は、インプラント治療を失敗しないための大切なアドバイスです。その為、聞いていただけないと失敗する確率が高くなっていきます。
ご自身の為に、歯科医師のアドバイスは必ず守ってください。